抜け毛・白髪
抜け毛、白髪は見た目の年齢を左右するだけに、気にする人も多いのではないでしょうか。こうした髪のトラブルは年齢や遺伝による影響が大きいものの、ライフスタイルやストレスなどの要因もからんでいます。男性ホルモンが関わる一部の抜け毛に対しては治療薬も出ていますが、それだけですべての抜け毛や白髪を改善させることはできません。やはりふだんからの頭皮ケアやヘアケア、体の中からのケアが大切です。
漢方って抜け毛に役たつの?
漢方には「気・血・水(き・けつ・すい)」という3つの要素があり、これらのバランスが崩れることで、体に不調が現れると考えられています。 漢方からみても、髪が抜けたり、白髪になったりする原因はいくつかあります。そこで、その人の抜け毛や白髪以外の訴えなどから原因を探り、その人の症状にあった治療を進めていきます。
髪については、昔から「髪は血の余り(血余)」といわれ、血と髪の健康は深く関わっているとされていました。血とはその名の通り血液のことで、「血流が悪くなれば髪に栄養が届きにくくなるため、髪が抜けやすくなったり、白髪になったりする」というわけです。 とくに抜け毛や白髪は血が不足している「血虚(けっきょ)」によって生じるとされるので、血を補う漢方薬を用いて治療をしていきます。
また、現代人に多い抜け毛や白髪は、ストレスや交感神経が優位になることによる血流障害で起こると考えられていますが、生命エネルギーである気が不足している「気虚(ききょ)」で起こっているとも考えられます。そこで気の巡りをよくする漢方薬を用いることもあります。 抜け毛や白髪を気にする人は、それがストレスとなって、抜け毛や白髪がさらに進むという悪循環に陥ることが少なくありません。気の不足を補う漢方薬はメンタルの改善にも働くため、ストレスがもたらす悪循環を断ち切る効果も期待できます。
もう一つ、漢方では、抜け毛や白髪は「腎」が弱まったときに生じるという考え方もあります。腎とは生殖や成長、老化に関わる機能を現したもので、この腎が低下すると髪が抜けたり、白髪が増えたりする、すなわち加齢現象が起こってくるとされています(西洋医学の腎臓とは意味が異なります)。 そこで、腎を補う補腎剤という漢方薬を用いることで、腎を元気にして髪のトラブルを抑えていくこともあります。
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