画像提供:猫カフェ&金魚カフェ マンチカン 海外旅行気分を味わうために訪れた大阪のコリアンタウン鶴橋。そこで出会ったのは失恋で傷ついた私を癒す韓流イケメンではなく、ふしぎな猫カフェと魅力的な猫たちだった。 千日前通りへ出て東へ歩き、郵便局を過ぎたあたりで「この子たちの里親を探しています」というのぼりが。右手の店舗を見ると「30分500円」などと料金と時間を示した紙が2階に続く階段の壁に貼られている。猫カフェで里親探し? なんだか気になって階段を昇った。 里親募集の猫は半数2階のドアを開けると小さな空間を挟んで引き戸があった。2段の棚にスリッパが置いてあり、スリッパに履き替えてから引き戸の向こうへ行くようだ。 スリッパを履いて戸を引き、店に入ると中年の夫婦がソファーに座り(開店直後の12時は私以外の客は二人だけ)女性が耳の反り返った白いアメリカンカールを膝に抱きかかえている。細身のトラ模様のベンガルという猫と、三毛模様に丸い顔のスコテッシュフォールドがじゃれあいながら店内を横切る。テーブルの上でマンチカンが短い手足で女性店員にじゃれつき、ロシアンブルーはソファーで静かにあたりを見回し、アメリカンショートヘアーはキャットタワーの上で昼寝をし、頭上に伸びる梁をメインク―ンが悠然と歩く。 「全部で18匹います」 「みんな里親募集なんですか」 女性店員はいいえと答えた。募集は9匹で、全ての猫を対象にしてしまうと、人懐こい猫ばかりが貰われてしまうからだそう。 店の壁際では大きめの水槽でたくさんの金魚が泳いでいた。今のところ猫に食べられることなく共存しているらしい。 猫たちはブリーダーやペットショップから来た私は動物保護施設へ見学やボランティアに行ったことがあるが、ほとんどの猫たちが雑種だった。だから私は里親を募集している猫=雑種だというイメージをもっていた。しかしここの猫たちはみな純血種のようだし、めずらしい品種の猫もいる。この子たちはどうやってここに来たのだろう。 「業者さんから里親を探してほしいってお願いされたんです」 詳しく聞きたがる私に、女性店員は猫1匹1匹についての情報が閉じてあるファイルを手渡してくれた。 猫たちがここに来るルートは2つあるらしい。ひとつはブリーダーから。繁殖用に飼っていた猫で年をとって引退させたもので、6歳から8歳くらいの猫が多かった。ブリーダーが年齢を把握してない猫もいるらしい。それより若い猫たちはペットショップから来たそうだ。店内には1歳にも満たない子もいるが「売れ残り」とみなされたらしい。 即日お持ち帰りOK!?「マンチカン」が鶴橋にオープンして2か月足らず。しかし5月だけでも3匹の猫が引きとられたという。「入れ替わりが激しいんです」と女性店員は言った。 猫の里親になりたくなったら、賃貸に住んでいる場合は家主の、一緒に住んでいる人がいれば同居人の許可が必要。書類は必要なく電話で確認してもいいという。基本的に無料で譲渡だが、全くのタダというわけではないようだ。提携しているNPOラブファイブの会員となり1万円の医療費、5,000円の事務手数料を払い、ペット保険(アイペット 月額4,000円)に入る必要があるとのこと。2万円弱。財布を厚めにして来れば大丈夫かもしれない。 しかし、飼い主としての姿勢が問われる面談があるらしく、簡単に「猫をお持ち帰り」させてはもらえないようだ。めでたく譲渡が決まったら、店で猫と一緒に写真を撮る。1か月後に写真に猫の様子を撮って送り、猫が元気なことを知らせなければならない。 命あるものを家族に迎えるのだから、本当の猫好きならお安いご用のはず!
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