あなたは食べ物でエクスタシーを感じたことがあるだろうか? 私はある。フランスに住む筆者は、厳しい冬の間一日一個チョコレートを食べることを楽しみにしていたのだが、ある日チョコレートを口に入れた時、舌の上で解けていく速度に合わせて「くぅ?っ」と言ってしまうほど快感電波が脳に走っていったのだ。 食べ物とセックスの幸福度を調査フランスでは日本ほどお菓子の種類が豊富でない割に、チョコレートだけは異常なほどブランドや商品があり、冬場になると巨大な箱で売り出される。スーパーの一角がチョコレートの山となり、クリスマスのプレゼントに「はずれ」のない定番となっているほどだ。 それほどチョコレートの魅力、いや食の魅力に取り付かれているフランス人の間で、面白い調査(※)が行われた。 食べ物とセックスどちらのほうが幸福度が高いのか? 1?10の段階でアンケートをとったところ男女総合の、食べ物とセックスの平均幸福度は同じく7.1ポイントだった。ただし、性別で見てみると明らかな違いが出たのだ。 フランス女性はセックスより食べ物のほうが幸福が高い「セックスよりも食べ物のほうが幸福度が高い」と答えたのは女性23%、男性は13%。 男性のセックスにおける平均幸福度は7.5ポイント。さらに60%以上の男性が8ポイントを超える幸福度があると答えている。 一方、女性のセックスにおける平均幸福度は6.7ポイント。食事で得られる平均幸福度のほうが7ポイントを超えている。 想像どおり、男性のほうがセックスの幸福度が高いという結果だ。そして、女性はセックスよりも食事の幸福度がわずかに高くなっている。さらには29%の女性はセックスにおける幸福度が5以下という。 これは、愛とセックスを大事にするフランス人だからこその結果であり、愛よりも仕事を重視せざるをえない長時間労働の日本では、女性のセックスに対する幸福度はフランス人のよりかなり低くなるのではないかと簡単に予想がつく。そうでなければ「セックスレス」という言葉もこれほど話題になっていないだろう。 フランスで「セックスレス」なんて言葉は聞いたことがなく、もしそうならば愛も終わり、となって当然なのだ。 興味深い結果はつづく。「セックスと食事のどちらかを選ぶとしたら?」という質問に関して、59%の男性がセックスを選び、57%の女性が食事を選ぶという結果に。 女性はチョコレート、男性はフォアグラを好むちなみに、どのような食べ物が幸福を与えるかという男女への質問の結果 1位 チョコレート 49% 2位 チーズ 39% 3位 フォアグラ 36% 女性の1位 チョコレート57% 男性の1位 フォアグラ 38% というフランス人らしい結果となった。 なお、ハンバーガーやホットドックなどのファーストフードは幸福を与えず、デザートや伝統的な料理に幸福度を高く感じる傾向も見られたという。 実はフランス女性もセックスで満足していない最後に「セックスが上手なパートナーと料理が上手なパートナー、どちらを選ぶか?」の質問には、65%の男性が「料理が上手なパートナー」、74%の女性が「セックスの上手なパートナー」と回答。 つまり、フランス人女性は「これまでのセックスで高い幸福度を得られていない」というだけであって、本音は「幸福度の高いセックスを望んでいる」ということなのだ。愛の国フランスでも、女性の不満は案外日本と似ているようで妙な親近感を覚えてしまう調査結果なのだった。 ※調査内容 Harris Interactiveによる調査で2014年の5月に2日間かけてインターネット上で行われた。対象は18歳以上の1,000人のフランス人。 |