第25回 『痩せたいのについ食べちゃう』 仕事のストレスで、職場でのおやつ、夜のコンビニデザートがやめられません。学生時代は運動部で筋肉質だったのですが、デスクワークになってから体重が増え、今は「普通」と「ぽっちゃり」の間です。思い切って告白すると、身長160cm体重58kgです。60kgの大台に乗りたくないと思いながら、仕事が激務で何もしていません。いつもきれいなブルボンヌさん、私の目が覚める一言をください!(33歳・会社員) ダイエット方法が問題じゃないかも一応ね、ベタなかんじで、「寝る前に食べられるものなんか家に置いちゃダメ!」とか「おなかが空いたら歯を磨くか、こんにゃく・寒天系で胃の中埋めときな!」とかの、プチ対策術を書くことも考えたのよ。でもあなたの場合はなんか違う気がしてきたわ。 体重なんて他人にはどうでもいい「いつもきれいな」って褒めていただいといて何なんだけど、その社交辞令も含めて今回の相談って浮ついたかんじなのよねぇ。 「思い切って告白すると」という言い回しがもう、匿名で身長体重書く程度のことを何もったいぶってんだと。「60kgの大台には乗りたくないあなたの体重へのこだわり」とか、アタシも多くの中華性力剤読者さんにとっても「知らんがな」って話よ。 まずは冷静になれ!でもそこから見えるのは、あなたのお悩みが他人にとってはどうでもいいことなんだ、ってズレを認識してないのかなーってこと。 もちろんお悩みなんて、自分の中だけのテーマでいいのよ。常に地球全体のことを考えて、大地の怒りを訴えられても困るし。ただし、「私のこだわり」が「周りの人間にはどうでもいいこと」ってのは分かっておいたほうがいい。つまり、「思い切って告白すると」じゃなくて「興味はないと思いますが」って枕詞を選べる冷静さが欲しいのよね。 小太りはゲイならモテ要素なんでこんな細かいことが気になったかというと、容姿にまつわる悩みってのは、たいてい「自分の思い込み」が大きいってこと。必要以上に、自分の見た目にコンプレックスを持つのって、ひどくなると「身体醜形恐怖症」と呼ばれる精神状態にもなるんだけど、こういう人たちって周りからすると、たいてい「え、全然気にするほどじゃないのに」って思う程度なのよ。 世の中にはもっと深刻に悩んでもいいレベルの、パンチの効いた造形の人がいっぱいいるんだから! 小太りくらい何だってーのよ。ゲイならむしろモテるわ。 きっと自分の中で「こんなんじゃダメだ」「ああならなきゃ」って焦りが空回りして、実態のない肥大した問題意識が心を覆っちゃうのよね。 痩せたいの? 愚痴りたいんじゃない?具体的には、ストレスを生む現状の仕事量を何とかするか、食べること以外でストレス解消をするか、どっちかなのよ。 ダイエットの目的を見極め、そのためにすべきことを的確に押さえる、というのが行動改善には必要だと思うんだけど、あなたの場合は「忙しい!」とか「恥ずかしい体重、告白しちゃう!」とか、「聞いて聞いて」の面が強いんじゃない。それって、実は本気で改善したいというより、愚痴ること自体が目的になってそう。 数kgの増減問題なんて酒の肴よ仕事が忙しいってのも、つい食べちゃうってのも、2丁目に来てる女性客のほとんどが言ってる酒の肴だもん。だったらアタシも、女装接客風に「あら大変っ。デブまっしぐら〜!いい気味ぃ〜!(ダミ声)」って返しときゃいいやって思うの。 目を覚ますべきなのは、あなたの体重の数kgの増減なんて、他人、とくにオカマにとってはどうでもいいって気づくことよ〜!
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