旅は気分をリフレッシュしてくれるのと同時に、新たな発見や学びを与えてくれる。とくに海外は文化も違い、羽を伸ばすのに適した環境だ。趣味として挙げる人も多く、アンケート調査でも30代女性の75%が海外に行った経験があると回答している(調査:株式会社バルク)。 また、旅行業界は就職企業としても人気が高い。マイナビが調査した2015年卒の文系大学生たちの人気ランキングでも1〜4位が旅行に関連する会社だ。狭き門をくぐり抜けて旅行会社に勤務する女性 は、旅のどこに魅力を感じているのか。アラサー女性におすすめの旅先など、10月にオープンした新店舗「H.I.S.旅と本と珈琲とOmotesando」を担当する大橋礼奈さんと、同社の広報・司奈奈さんに伺った。(編集部) 関連リンク:旅行会社×カフェ×本屋の融合で何が起きる? 表参道の新店舗を訪ねた 足を運んで、初めてわかることがある――お二人が思う「旅の魅力」はなんでしょう? 司奈奈さん(以下、司):海外旅行の良さは、確実に自分の知らない世界が広がっていることだと思います。さまざまな国籍・文化・宗教が混在しているので考え方や生活習慣に驚くこともありますが、とにかく発見や気づきの連続で視野が広がります。また、日本にはない壮大な大自然の風景は地球のエネルギーを感じさせてくれます。 海外旅行をしていると、時には思いがけないハプニングに遭遇しますが、あとで振り返ると、それが成長のキッカケになったなと思えたりします。同時に、日本での暮らしがどんなに恵まれているかが身にしみます。こんなに時間に正確で、コンビニが24時間開いている国なんて、そうそうありません。今はインターネットで世界の様子を簡単に知ることができますが、それはほんの一部で、実際に足を運んで気付くことのほうがはるかに多いはず。 大橋礼奈さん(以下、大橋):私も旅行は海外に行くことが多くて。日本にないものがたくさんあって、なにもかも新鮮なところに強く惹かれます。街並みひとつとっても日本とはまったく違い、海外の観光地では景観を非常に大切にしていることがわかります。日本だと築年数が古くなった建物は取り壊してしまうことが多いですが、街全体が世界遺産になっている海外の都市では、古い建物でもリノベーションして長く住んでいたり。そんな発見は海外ならではですね。 あとは、物価が安い国に行くと、お金をかけずに思いっきり贅沢ができるのも魅力。バリ島やタイのプーケットなどのアジアビーチでは、10万円あればゴージャスな気分が味わえますよ。海外の旅は、スケジュール調整や言葉の壁に苦労することもありますが、行ってみないと本当の楽しさはわからないと思います。 居心地の良さNo.1のハワイ
??アラサー世代の女性に向けたオススメの旅先を教えていただけますか? 司:私はハワイが大好きで、何度もリピートしています。とにかく居心地が良くて、波の音を聞きながらお酒を飲んでいるだけで十分幸せ(笑)。海のイメージが強いハワイですが、スニーカーを履いて気軽にハイキングを楽しむこともできます。ハワイ固有種の木や花に触れあいながら深呼吸すると、とてもリフレッシュしますよ。また、ネイバーアイランド(オアフ島の隣島であるハワイ島・マウイ島・カウアイ島・ラナイ島・モロカイ島)もオススメ。ハワイ島では、富士山よりも高いマウナケア山から見るサンセットが圧巻です。 大橋:私の一押しはイタリアです。大学の卒業旅行で訪れて、はじめはローマだけの予定だったんですが、急きょほかの都市も回りたくなり、ユーロスター(高速列車)のチケットをその日にとって、ヴェネツィアに行ったんです。もう言葉では言い表せないほどステキな場所で、あのときすぐに行動してホントによかったと、今でも思っています。旅では「思い立ったら即行動が鉄則」と学びました(笑)。イタリアは世界遺産の数が世界一多く(2015年7月時点)、一度の旅では回りきれないぐらい見所が多いのも魅力ですね。 また、旅行中になにげなく入ったイタリアンレストランは、どこもリピートしたくなるほどのおいしさで感動の連続でした。隣に座ったイタリア人の方は、ランチからサラダ、お肉、パスタ、ワインのフルコースを頼んでいて、日本との違いを感じることも。あとは、海外に行くと必ずスーパーに足を運ぶんですが、イタリアではチーズやオリーブオイルの種類がものすごく豊富でした。スーパーは、お土産屋さんでは見えないその国の生活や国柄が見えるので、ぜひ立ち寄ってみてください。 海外での滞在は非日常の連続であり、だからこそ一瞬一瞬がスペシャルな思い出として心に刻まれる。たった一日でも、計り知れない価値があるだろう。今回、お二人のオススメの旅先としてあがったハワイとイタリアにまつわる情報をいくつかご紹介したい。 日本で“生のハワイ”を体験できるスポット新宿三丁目駅から徒歩1分の好立地に店を構える「H.I.S.Hawaii新宿三丁目」。“日本で一番ハワイに近い場所”とのコンセプトを掲げ、ハワイの魅力を惜しみなく伝えるために作られた専門店だ。1Fには旬のハワイアンアイテムを取り揃え、花冠やハワイアンキャンドル作りなどのイベントも開催されている。スタッフ全員がハワイを知り尽くしており、最適なプランを提供してくれるとのこと。なかでも、最新のバーチャル体験技術を使った「バーチャル・ハワイ・ラウンジ」は、パンフレットでは伝えきれないリアルなハワイを映像と音声で味わえる。まるでその場にいるかのような臨場感だ。
美しさを堪能できるイタリアのみどころ世界遺産をはじめとした観光スポットに加え、イタリア料理やワインなど魅力が尽きない国イタリア。愛情表現が強い気質でも知られており、街中では愛を確かめ合うように口づけを交わすカップルを目にすることも多い。見所は、コロッセオ、トレヴィの泉、映画「ローマの休日」でもおなじみの真実の口、「水の都」の異名をもつ「ヴェネツィア」、青の洞窟など数え上げればキリがない。今回は、先日イタリアを訪れた筆者が思わず感嘆のため息を漏らした、とびきりロマンチックな迷宮都市「ヴェネツィア」の魅力をお伝えしたい。 ローマから高速列車で3.5時間ほどの距離にあるアドリア海に囲まれた小さな島ヴェネツィア。効率良く回れば本島は一日で見ることもできるが、ぜひ2〜3日滞在して周辺の島まで訪れてみてほしい。オススメスポットはこちら。 ●サン・マルコ広場とサン・マルコ寺院(本島) ヴェネツィアの中心にあり、世界中の旅行者が集う寺院とその前に広がる広場。寺院の内部は重厚な雰囲気が漂い、夜は大勢の人がロウソクを灯す光景が美しい。 サン・マルコ寺院とその前に広がる広場 夜の広場はロウソクの光が美しく幻想的な雰囲気に ●サン・ジョルジョ・マッジョーレ島 本島からヴァポレットと呼ばれる水上バスに乗り、数分で到着。ヴェネツィアを効率良く回るなら、ヴァポレットの乗り放題チケットを購入し、移動手段として活用するのがオススメ。島と同名の教会があり、その鐘楼から見える景色が絶景。 サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会の鐘楼からはヴェネチィアが一望できる ●ムラーノ島 サン・マルコ広場東のヴァポレット乗り場から約50分で到着。ガラス工芸品が有名でガラス博物館ではアンティークの名品が鑑賞できる。街中のショップにも思わず見惚れてしまうような美しいガラス製品が並ぶ。
ムラーノ島のショップに並ぶ繊細なガラス製品 ●ブラーノ島 本島の北側にあるヴァポレット乗り場から約40分で到着。ピンク、ブルー、イエローなどカラフルなペンキで塗られた家々が運河の両側に立ち並び、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだよう。
パステルカラーで塗られた家並みがなんともキュート 写真や映像でも、その魅力の一部は伝わるが、空気や匂いまでは伝わらない。現地の人々に触れあったり、生の生活の様子を垣間見ることもできない。一歩踏み出してはじめて味わえる世界には、人生を豊かにするエッセンスが必ずあるはずだ。
|