フェアトレードについて学んだり、不要品を捨てずに国際協力へ生かす活動「ステナイ生活」のボランティア作業に参加する体験を不定期で提供している特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会(以下、シャプラニール)。バングラデシュやネパールなど、支援国についての解説やフェアトレードについてのレクチャーに続き、体験の後半は、「ステナイ生活」の活動の一環として、事務所に寄せられた使用済み切手の仕分け作業に参加した。 【前編はこちら】低賃金で働く42万人の子どもを救うために 身近な手助け「フェアトレード」を学ぶ 使用済み切手1キロで、少女の人生が変わる「ステナイ生活」は、書き損じハガキや使用済み切手、古本やDVDなどを回収し、お金に換えて南アジアでの支援活動に生かす、“もったいない”の気持ちを海外協力と結びつけた取り組みだ。 使用済み切手はボランティアの手で、専門業者に買い取ってもらえる状態に整える。 この日体験した作業は、使用済み切手を国内の切手、海外の切手、消印のない切手に分けること。買い取り価格がそれぞれ異なるためだ。使用済み切手が1キロ(1500円相当)あれば、支援国の女性が受けるミシン研修の3週間分の経費に換えられる。また、読み終えた単行本1冊(50円相当)ならば、家事使用人として働かされる少女に絵本1冊を贈ることができる。知らなければそれらの価値に気づかず、破棄・放置してしまうが、活用できる不要品は身近に意外とたくさんあることに気づく。 事務局に届く大量の使用済み切手。貴金属や未使用・使用済みのテレホンカードなども集めている。詳しくはシャプラニールHP「ステナイ生活」をチェック。 使われなくなったモノで社会貢献を平日は派遣社員として働く40代女性は、4年ほど前からこのボランティアに参加している。家庭の事情で働けない時期があり、「少しでも何らかの社会貢献ができれば」という思いで通い始めた。現在、来られる時は週に1日程度のペースで通う。新規のボランティア参加者の出入りも活発だ。同事務局には、平日なら主婦やリタイア後の高齢者など1日5?7人、土曜日には学生やサラリーマンなども加わり毎週10人程度、多いときには20人弱のボランティアが集まる。全国から送られてくる使われなくなったモノを換金できる状態にするため、多くの人手が必要なのだ。 昨年度、「ステナイ生活」は換金総額2,800万円を達成した。今年度は、パルシステム東京で組合員にカタログと不要品の送付用封筒を配布するキャンペーンが実施されたこともあり、4,000万円を達成できそうな見込みだという。 年末年始は仕分け作業が一段と増える時期。「ウェブなどでボランティアの参加を呼びかける予定です」とシャプラニール・渉外/ステナイ生活担当の上嶋佑紀さん。シャプラニールの活動に興味のある人、何かボランティアを始めたいという人は、ホームページなどで情報をチェックしてみてほしい。
|