1971年に誕生した世界初のカップ麺「カップヌードル」。40年を越える歴史の中で生まれた味は100種類を超え、6月末にはカップヌードル初のパスタ「カップヌードル パスタスタイル」も発売されました。そこで、カップヌードルの商品展開について、日清食品株式会社マーケティング部の土岡洋平さんに聞きました。 「パスタじゃないけれどおいしい」がコンセプト――「パスタスタイル」は「カップヌードル」ブランドとして出ていますが、パスタ、というよりカップヌードルらしい味わいですよね。現に商品のホームページでも「イタリア人が認めなかったパスタ?気にせず、新発売」とキャッチフレーズがあります。 土岡洋平さん(以下、土岡):パスタスタイルは、「パスタを出そう」というより、「カップヌードルブランドをより幅広いものにしていこう」という企画から打ち出したものなんです。パスタなら日清食品には「スパ王」がありますからね。国内の方にもウェブサイトから「パスタスタイルはパスタか?」というジャッジを募集しているのですが、7割の方は「パスタじゃない」と答えられていますが、「おいしい」とのコメントもいただいています。「パスタじゃないけれどおいしい」が目指すところです。 ――味をボロネーゼとボンゴレの2つにしたのはなぜなのでしょう? 土岡:ボロネーゼは定番感があり、老若男女多くの方から好まれます。一方ボンゴレは好きな人は大好き、という味です。最初なので、定番と強い支持を持つ味を選びました。「ボロネーゼとボンゴレ」にすることでテイストに差が出ますので、多くの人に手にとってもらいやすいと考えたのも理由のひとつです。今後の展開を見て、味の幅を広げていけるといいですね。 同じ「野菜たっぷり」でもターゲットが異なる2つの商品――カップヌードルの中で女性人気の高い味はどれでしょうか? 土岡:トムヤムクンヌードルは人気ですね。ユーザー比率は女性の方が男性より多くなっています。、また、3月に女性向けカップヌードルとして発売したカップヌードルライトプラスも女性に人気の商品です。 ――カップヌードルライトとライトプラスの違いは何でしょうか? 土岡:通常のカップヌードルは353 kcalですが、カロリーを198kcalに落としたものがライトで、ライトプラスは脂質を“ライト”に、さらに食物繊維と野菜を“プラス”した新しいコンセプトのカップヌードルです。お湯を入れ、ふたを開けたときに、野菜が多い、とわかって頂けるくらいのたっぷり感を意識しています。 野菜多めのカップヌードルとして、ライトプラス以外に、「べジータ」も用意しています。べジータは今の定番のカップヌードル(カップヌードル、シーフード、カレー、トムヤムクン、チリトマト、しお、欧風チーズカレー)に迫る勢いですね。 カップヌードルべジータはライトプラスのようなローカロリー路線とは異なり、コンセプトは「野菜不足の男たちに」です。「野菜が足りない、もっと取りたい」は女性に限らず、年代を問わず強いニーズなんです。なお、コンセプトに合わせて宣伝キャラクターもライトプラスの方は俳優の斉藤工さんですが、べジータの方は、アニメ『ドラゴンボール』のべジータを起用しています。 ――同じ「野菜たっぷり」でも路線の違いをしっかり出しているんですね。 土岡:ライトプラスでは「旨だしそうめん」も6月15日に発売しており、パプリカやオクラなど、色とりどりの野菜を入れています。 明日同僚に話したい、カップヌードルトリビアたち――デザインには何かこだわりや意味があるのでしょうか? 土岡:カップヌードルはどれも「カップヌードル」とわかるよう、どの味もカップの上部に共通のアイコンをぐるっとまわしてつけています。このカップのデザインは、1970年の大阪万博のシンボルマークをデザインした大高猛氏によるものなんです。それに、商品名のロゴ「CUP NOODLE」の形は1971年の発売以降一度も変わっていないんですよ。 デザインには変わらないものと、あえて変えているものがあります。今回のパスタスタイルはコンビニで並んでいるときに「新しい商品だ」と足を止めていただけるよう、従来のカップヌードルと比べ口径は大きく、高さは低くしています。湯切りや混ぜるのが必要なのでこの形にしている、という理由もあります。 ――1971年の誕生以来、どれくらいの種類のカップヌードルが生まれたのでしょうか? 土岡:おそらくレギュラーサイズだけで102種類ですね。数年前に復活総選挙というキャンペーンをしたのですが、その際に選ばれた「カップヌードル 天そば」はカップヌードルが生まれた直後、1972年に作られたものでした。 ――確かに、カップヌードルでそばがあった、となると選んでみたくもなりますね。どん兵衛では、東日本、西日本で味が違いますがカップヌードルも地域で味が変わったりするのでしょうか? 土岡:日本国内で味の地域差はありませんね。ただ、カップヌードルは80か国以上で海外展開をしているので、海外の場合は現地の方に合わせた味つけにしています。 ――確かに、タイでトムヤムクン味のカップヌードルを食べましたが、私は日本で売られているトムヤムクン味の方が好みでした。 土岡:海外で見かけたら食べてみたり、お土産にすると発見があると思いますね。今後もパスタスタイルに限らず、カップヌードルでさまざまな味を展開していきます。カップ麺をあまり食べない方にも、「カップヌードルなら食べてみたい」と思われるような商品作りをしていきますので、ご期待ください。 |