第7回 洗濯を揉めずにこなす方法 一度でも、パートナーと一緒に暮らした経験のある人に「やり方で一番揉めがちな家事は何か」を尋ねてみたところ、一番多く返ってきたのが“洗濯”という答えでした。 洗う頻度から始まり、残り湯を使うか使わないか、柔軟剤を入れるか入れないか、部屋干しか外に干すか、干すときに靴下のどっち側を洗濯ばさみで止めるか、バスタオルやリネン類はどれくらいの頻度で洗うのか、そもそも2人のものを一緒に洗うか洗わないか、取り込んでたたんだ後、クロゼットに誰が仕舞うのか……少し考えただけで、これだけの煩瑣が浮かんでくるのですから、そこに齟齬が生じるのも当たり前のことかもしれません。 洗う・干す・取り込む・たたむ、すべてこなすと、それなりの時間が必要さて、“洗濯”のキモはその作業手数の多さにもあると思います。洗う・干す・取り込む・たたむ、と4つの手順があり、しかも、作業と作業の間に、数十分から半日以上の時間差を必要とします。この4つをすべてひとりでこなすとすると、それなりの時間が必要となるのは瞭然です。 もっとも、“洗う”については、今は全自動の洗濯機を使うのが主流ですから、ボタンを押すだけ、他の作業の片手間にできます。となると、時間がかかるのは、“干す”と、“取り込む”“たたむ”という作業でしょうか。 我が家の場合、パートナーもわたしも、共に自宅で仕事をしていることもあり、家事の時間は比較的自由に調整が利きます。が、それゆえに「わたしばっかりして」という気持ちになることも少なくはありません。最初は「洗濯物は下着もあるし……」と思い、洗濯全般をわたしが担当していましたが、バタバタと家事をしているその横で、素知らぬ顔をしているのも気まずいのか、このところ、パートナーも自主的に洗濯に参加してくれるようになり、その結果、自然と分担ができ上がることとなりました。 別の家事でも「同時にする」のがポイント我が家で実行されているのは、まず早く起きたほうが洗濯機を回す(水リサイクル用のホースを風呂に突っ込んで、洗剤を入れてスイッチを押す)→洗濯が終わると、前回の洗濯物をわたしが洗濯ハンガーから外す間、平行して洗濯ハンガーの空いた部分に、パートナーが洗濯物を干す(外に干して乾いた洗濯物を洗濯ハンガーに掛けたまま、室内に吊るしてあるのがデフォルトです)→洗濯ハンガーから外した洗濯物をわたしがたたむ間、パートナーが庭の洗濯物干しに洗濯ハンガーを持っていく……という同時分担方式です。 これだと「わたしばっかり働いている」ということにはなりません。部屋の中で干すので冬は寒くないし、夏も暑くなく、虫に刺されることもなくて快適。外に干してある洗濯ものが乾いた後、取り込んでもたたまず、洗濯ハンガーに掛かったままの状態で部屋に掛けている、というズボラだからこそ、できる分担でもあるのですが、「ひとりで2人分の洗濯をして、2人分干して、2人分たたんで仕舞う」ということに比べれば、部屋の隅に洗濯ハンガーが掛かっている方がずっとマシ。几帳面な人は「絶対に無理!」というかもしれませんが、「こうすべし!」という拘りが少ないほうが、気楽に生活を送れるということも確かです。 ……こんなだらしのない家事方法をオススメするわけではありませんが、洗濯に関わらず、共働きで家事の平等な分担を心掛けているカップルは、休みの日など2人が揃った状態で家事をする場合、それぞれ別の家事だとしても「同時にする」のはひとつのポイントかもしれません。掃除機を掛けているのにゴロゴロ寝られていたり、食器を洗っているのにゲームに夢中だったりすると、例え自分の分担の家事をしているのであっても、なんだか腹立たしい気持ちになるもの。日々の生活の中で余計な不満を生まないためにも、自分たちにフィットした家事のやり方を、見つけるといいのではないでしょうか。 |