整形するか迷っています。今でもメイクテクやダイエットなど、努力しているのですが、最近、自分の顔に限界を感じて、上限がここかと思うととても残念です。モテたいとかではなく、自己満足のためなので、手を出したら整形地獄にハマる可能性も感じています。でも一度の人生だし、自分の好きな顔で生きてみたい。私はワガママでしょうか。(32歳・メーカー) 整形のカジュアル化とは言うけれど「なぜ なぜ あなたは きれいになりたいの?」 アタシのカラオケでのお気に入りナンバー『恋の予感』。「歌は心」の教え通り、この歌詞を唄う時には、顔面が激変していった芸能人の皆さんを本気で思い浮かべるようにしているの。てか、これを玉置浩二さんがあの形相で歌い上げていたのが、もう30年以上前になることにプチショック! まぁね、相談者のあなたも当然ご存知でしょうが、今じゃお隣韓国は、社会人になるお祝いに親が美容整形をプレゼントするくらい当たり前のものらしいし、日本のテレビでも人生をポジティブに変える魔法として扱われることが増えて、昔ほどの抵抗はなくなってるわよね。 国民的アイドルグループの中にも、これでもかってくらいにチューンナップする娘さんが続出してて、後に続きたい一般女子も激増していそう。てか今に限らず、「日本一の歌唱力の女王」とうたわれた某大物歌手さんも、見事なくらい、デビュー当時の面影がなくなってたわ。彼女がゲストの回の『徹子の部屋』で、顔面グラデーションと化したシングル一覧ジャケットが並べられ、徹子さんに「ほんっとお変わりない!」とコメントされた話は有名だもの。 顔面崩壊する前にやめる冷静さがあれば大丈夫かもというわけで、もう好きなだけ諸先輩の皆さんを追っかけて変身していいのよ。顔面をいじる「ワガママ」は、あなたが納得して選ぶかどうかってだけ。今回の相談内容を読む限り、的確で冷静な方なのねーとも思うし。 それでも一応、女装のババアに聞いてみようかなと思ったのは、「手を出したら整形地獄にハマる可能性」が怖いからよね。あとはまあ、それに付随する周囲の批判とかも多少は気にしてるってとこかしら。 自己満足が理由の美容整形の、エスカレートしがちな罠ってのは、多くの有名人に対して一般人が思う「何もそこまで……」感の通り、本当に危険性が高いみたいよね。以前、有名なソッチ系のお医者様とご飯を食べた時に聞いたんだけど、彼自身は「ほどほど」の重要性をよく分かっているプロ。オペ代なんて要らないから「ベストな作品」ができあがったところで止めるんだって。どのみちメンテナンスは続くしね。でも、けっこうな割合の患者さんが「もっともっと」になっちゃって、彼がやってくれないからっていうんで、こっそり別のお医者さんにさらなる改造を施されに行く。で、「こんな事態になっちゃって……」ってやり過ぎた顔面を引っさげて泣きついて戻ってきたりするんですって。 マイケル・ジャクソンだって、顔面改造のスリラーが始まって、もう周りが「BAD」って気づいてたくらいで止めときゃ良かったのにね……(うまいこと言ったつもり)。でもやってる本人からすると、到達した地点ごとに自分の「もう少し」って相対的な欲望があるから、スタート地点からの絶対値で変化をとらえられる人は少ないんだと思うわ。そもそも自身が生まれつき与えられた造形に対して、絶対値ではなく「もっと」を望む意識の人たちだから仕方ないのよね。 リスク覚悟なら、変化を楽しむのもアリもちろん、これは美容整形の中毒性と、それにハマりまくってしまった例をベースに言ったことだから、実際には周囲が気づかない程度の若々しさの維持や、最初の変化以後のエスカレートは抑えられてる、適量を守って満足を得た人たちも大勢いる。最初からそこを明確に自分自身やお医者さんに宣言しておけるのなら、大丈夫なんじゃないかとは思うけどね。 また、あなたの場合は覚悟してる方だと思うけど、整形に対して罪の意識や恥ずべき過去だと感じる気持ちが強い人は、その「秘密を抱えた後ろめたさ」がメンタルに逆の影響を与える場合もある。例えば性的少数者であることは自分では選べない属性けれど、「人には言えない恥」だと捉えてる人は、やっぱりいろいろと負の精神性で現れちゃうことも多いのよね。 「中毒性を認識して限度を決められるか」「恥ずかしい秘密を抱えたと感じないでいられるか」あたりのテーマと向き合った上で、イケそうだと思うのなら、あなたの人生をより納得いくものにするワガママ整形も、ありなんじゃないの。せっかく安くはない費用や、一部の人からの批判や嘲笑を覚悟でやったんなら、その変化をイキイキと楽しんで、利用できるようにしてね〜。ま、うちら業界は割とそのへん、けろっと受け止めてる人が多いし、今さら何言ってんだってかんじかもね(笑)。
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