3月は、1年で最も「離婚」が多い月です。ワイドショーでは三船美佳、高橋ジョージ夫妻の「モラハラ離婚裁判」が話題を集めていますが、今や「離婚」は決して、遠い世界の話ではありません。厚生労働省が10日、公表した「人口動態調査」によると、2014年の「離婚件数」は22万2,000組でした(「婚姻件数」は64万9,000組)。 ある調査によると、既婚女性の3人に1人が、現在の結婚相手と離婚を考えたことがあるとか。「離婚なんて、考えたくない」という人も多いと思いますが、実は、「離婚のリスク」に備えておくことには、意外なメリットがあるのです。 女性は新婚1年目から離婚を意識している!「保険クリニック」が今年2月、全国20〜60歳の既婚女性500人に対し、「現在の結婚相手と離婚を考えたことがあるか」聞いたところ、33%がが「離婚を考えたことがある」と回答しました。 その時期は「結婚何年目だったか」尋ねたところ、最多は「結婚1年目」(約20%)。原因は、多い順に「価値観・性格の不一致」「お金・仕事関係」「嫁姑、家族関係」「家庭をかえりみない」「子供のこと・夫の浮気」です。保険クリニックでは、「交際している時と結婚後のギャップが離婚を考えるきっかけになっているようだ」とコメントしています。 1,000万円あったら離婚に踏み切れる?保険クリニックのアンケートでは、既婚女性500人を対象に「離婚で不安なこと」を聞いています。最多は「生活費」の約80%、次いで「子供への影響」(約45%)、「自分の老後」(約37%)の順でした。子供への影響とも関連しますが、何より経済的な不安を感じる女性が多いようです。 これは、「自分の手元に最低いくらあったら離婚できるか」という質問の結果にも現れています。平均は「1,429万円」で、最も多かった回答は「1,000万円」でした。かなりの金額がないと、安心して離婚できないという女性が多そうです。 調査では、3人に1人という「離婚を考えた経験あり」女性の多くが、特に対策を講じているわけではないことも判明しました。離婚対策は「していない」が81.2%と多数派で、「している」人は、わずか18.8%。対策の方法としては、最多が「経済的に自立できるよう貯蓄している」で、以下、「働き先を確保」「シングルマザーがもらえる補助金を調べる」となっています。こうした「離婚への備え」をすることで、「かえって気軽に離婚する人が増えるのでは」という人もいるでしょうが、実は、逆かもしれません。 「絶対、離婚しない!」という考えが導く、あやうい支配・依存関係結婚生活とは、「他人とひとつの家庭を作っていく」営み。相手が他人である以上、「性格の不一致」などは当たり前で、離婚リスクをゼロにすることはできないのです。そして、離婚の可能性に思いを馳せることは、離婚に至らないよう、「相手の気持ちをきちんと考えよう」と、想像力を働かせ続けることではないでしょうか。 もっといえば、離婚の可能性すら考えていない人は、「夫(や妻)は、自分が何をしても大丈夫」と、安心しきっていることの裏返しでもあるでしょう。「自分は絶対に離婚しない、相手も絶対に、離婚など言い出さない」という安心感は、結果的に、相手の気持ちに鈍感になったり、暴力による支配につながったり(高橋ジョージさんのモラハラ疑惑を思い出しますね)、相手にすべてを委ね、依存してしまったりすることにつながります。離婚の可能性を意識しておくことは、度を越えた「支配」や「依存」関係に陥らないよう、夫婦の関係を絶え間なく見つめなおすチャンスでもあるのです。 何かと後ろ向きに捉えられがちな離婚リスクですが、こうして「夫婦の関係改善のきっかけ」として、前向きに捉えるのも、ありではないでしょうか。 |