筆者が生まれ育った九州の田舎では「赤ちゃんが生まれてなるべく早い段階で牛小屋に連れて行くと元気な子供になる」というおばあちゃんの知恵が残っている。 抗菌ティッシュを使って赤ちゃんのお尻を一生懸命拭く現代のお母さんたちにしてみれば「牛小屋なんて不潔なところに連れて行くなんてとんでもない!」という声が聞こえてきそうだ。 赤ちゃんを動物の毛皮の上で寝かせると、ぜんそくになる確率が低下実は先月、ドイツの研究によって「動物が赤ちゃんの健康に効果的」であることが科学的に立証された。 2,441人の新生児を対象に、16年という年月を経て実施されたこの研究によると、生後3か月までの間に赤ちゃんを動物の毛皮の上で寝かせた場合、ぜんそくになる確率が6歳になったときに79%、10歳の時に41%低下したというもの。 ドイツの研究者は次のようにコメントしている。 「以前、田舎で行われた研究結果によると『農村の中には細菌が多く存在し、それがぜんそくのリスクを減らす』ということが分かっていました。今回の研究では、毛皮でも農村で生活するのと同等の結果が得られるということが分かったのです」 家畜の糞に多く含まれる「エンドトキシン」がアレルギーに強い体質に特に細菌が作る「エンドトキシン」と呼ばれる物質にさらされることで、赤ちゃんの免疫システムが成熟し、アレルギーに強い体質の子供になるのだ。 この「エンドトキシン」は特に家畜の糞に多く含まれるとのことで、筆者の田舎の「牛小屋」は、まさに最適な環境だったというわけ。 筆者が幼い頃、牛小屋に近づくだけでもその匂いは強烈なものだったので今でも覚えているほどだ。ドイツの研究のおかげで、田舎のおばあちゃんの知恵は科学的に立証されたことになる。 とはいえ、都会には牛小屋などなくて、なかなか真似ができないと思うので、ぜひ毛皮を試してはどうだろうか。 |