(C)AKFPL, ARTE France Cinema, ASAP Films, Dar Motion Pictures, NFDC, Rohfilm?2013 友だちや彼氏、または家族との連絡ツールはメール、あるいはSNSというのは今や一般的。電話でさえあまり使用しなくなり、ましてや手紙を書く人はどれくらいいるでしょうか? でも手紙はメールよりも人柄や個性を表現できるのです。その手紙によって癒されていく男女を描いたのがインド映画『めぐり逢わせのお弁当』。では映画の男女が、手紙を通してどのように心を通わせていったのかを見ていきましょう! お弁当箱の中に入っていた一通の手紙ヒロインのイラは専業主婦。冷え切った夫婦関係に悩んでおり、おいしいお弁当を作って夫の愛情を取り戻したいと思っています。インドではお弁当は「ダッバーワーラー」というお弁当配達人が運んでくれるのですが、ダッバーワーラーはイラのお弁当を間違えてサージャンという男性の元に届けてしまいます。 帰宅した夫はあいかわらず冷たく、彼女は夫との会話から、自分のお弁当は違う人に渡ったことに気付きます。そして、翌日のお弁当に手紙を入れるのです。ここからイラとサージャンのお弁当箱を通した文通が始まります。短文がほとんどのメールと違って、自分の想いや気持ちを整理しながらしっかり書くのが手紙。イラは寂しい気持ちを手紙に綴ります。そして、二人にとって文通は癒しになっていくのです。 メールよりも捨てられないのが手紙メールは急ぎの要件や、今そのときの素直な気持ちなどを伝えるときに有効ですが、後に残ることはあまりありません。でも、手紙はもらうとなかなか捨てられませんよね(嫌いな人からの手紙は別ですが)。捨てられないのは、手紙にその人の想いがつまっているような、プレゼントなどと同じ重みがあるからかもしれません。その人の字の特徴、イラスト、選んだ便箋など、手紙そのものにその人の個性が表われますからね。 住所、氏名、年始の挨拶すべてが印刷の年賀状は「DMか?」とガッカリするけど、直筆で一筆でも添えてあるとちょっとうれしいじゃないですか。やはり手書きって心を温かくしてくれるものなのです。イラとサージャンは見知らぬ同士で二人を繋ぐのがお弁当だけだったから、メールではなく手紙だった。でも直筆での誠実なやりとりがあったからこそ、二人はお互いを信頼できたのだと思います。 今だからこそ、手紙が新鮮!大切な人へ伝えたいことがあったら、手紙を書いてみましょう。簡単すぎないところがポイントです。ひと手間かけている感じがいいんですよ。「渡すときが恥ずかしい」と思ったりするかもしれないけど、そこがまた相手の心を動かすものです。手紙をもらうと、ちょっとドキっとしますからね。郵送の場合でも「届いたかな、読んだかな」と毎日ソワソワしたりして。 「字は体を表す」といいますし、自分をより知ってほしいのなら、メールより手紙の方が効果的。あなたの手紙を受け入れて、やりとりができる相手ならば、きっと気も合うはずです。まずは『めぐり逢わせのお弁当』を見て、イラとサージャンがどんな風に手紙で繋がりを持つようになったかを知ってほしい。そこに手紙が人の心を繋ぐヒントが隠されていますよ。
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