出産直後にマタニティーブルーが女性を襲うということよくは知られているが、実は女性だけではなく男性にも起こりうるとうことがアメリカの調査によって明らかにされた。 若い父親に起こりやすいベビーブルーノース・ウェスタン大学の研究によると、50%から80%の女性がマタニティーブルー(泣き出したり、性格が急変したり、睡眠障害や不安に襲われる等の症状)が起きる一方で、20代から30代の父親の10%が同じような症状に襲われるというのだ。 小児科医のクレイグ・ガーフィールド氏によると、今回の研究で分かった新しい点とは、マタニティーブルーが「若い父親」に起こりやすいということだ。 女性に現れるマタニティーブルーとは通常、出産3日後からホルモンのバランスが崩れるせいで起こると言われているが、男性が症状に襲われるのは子供の誕生で若いカップルの生活が大混乱してしまうことによるそうだ。 父親たちに起こるマタニティーブルーは、「ベビーブルー」と言った方が分かりやすいだろう。 父親のベビーブルーが子供の教育に悪影響を与える子供を持つ25歳前後の父親たち1万623人を対象に行った調査によると、68%もの若い父親にベビーブルーの危険性が見られ、それが近年増加している傾向にあるという。 残念なことに、ベビーブルーの症状がある父親の子供には、言葉の発達をはじめとする教育に悪影響を及ぼすことも明らかになった。 2006年に、イースタン・ヴァージニア医科大学精神科のジェームズ・ポールソン助教授はこう語っている。 「1歳から2歳の子供への読み聞かせや一緒に歌うこと、昔話を語ってあげることが、うつの父親の家庭では、そうでない家庭にくらべて少ないという結果がでました。このせいで2歳児の時点で 語彙が少ない子供になってしまうのです。これはその家庭の収入や教養レベルに関係なく起こることもわかりました」 ベビーブルーの可能性がある場合は専門家への相談が必要先述のガーフィールド医師は自身の研究「悲しい父親・小児科医の挑戦」の中でこう警告している。 「うつ状態の父親は、子供へのおしおきとして、酷い虐待をしてしまう傾向が高くなる」 これらの研究結果は、若くして父親になる男性は誰しもベビーブルーになる可能性があることを教えてくれる。 もし、若い父親が身近にいて彼の様子が前と違うように感じたり、それがベビーブルーかどうか判断のつかない場合であっても、専門家への相談なりの助けを求めることが必要であることを覚えておきたい。 |