cHIRO KIMURA >>【前編はコチラ】夏木マリさんが途上国の子どもと女性を支援する本当の理由 自分で動いてみて、自分らしさを見つけていく――本業にとどまらず、様々な活動に情熱的に取り組み続けている夏木さん。活き活きと前向きに年齢を重ねていく秘訣があれば、ぜひ教えてください。 夏木マリさん(以下、夏木):毎日、確実に歳はとっている。その事実をしっかり受け止めて、ではその限りある資源で何をするか。その時々の自分らしさを発見したい。私はいつもそんなことを考えていますね。日本は“子ども文化”なので若さに固執しがちですが、若いほうが素敵、なんてことは絶対にないのですよ。 たぶんね、日本人はすごく理屈で考えてしまうから、悩みも増える。私はそういうタイプではなくて、「まず動いてみる」がモットーです。自分が芸能界に向いているとも思わないけれど、躊躇せず飛び込み続けてきて、今こうして表現者としてやっています。人生はね、不安定なほうが面白いですよ。安定したらブスになる。舞台前はいつも緊張感でいっぱいですが、そのときの自分の顔が一番好きです。“闘争の顔”とでも言いましょうか。鏡を見て「最近なんだか好きな顔じゃないな」と思ったら大体、気持ちが安定している時が多いですね(笑)。 皆さんの世代なら、まだまだ失敗を怖れる必要なんてない。他の皆が美味しいって言う料理も、あなたが食べたら不味いと思うかもしれないじゃない? 頭で考えてばかりじゃなくて、とにかく自分で動いてみて、自分らしさやアイデンティティを見つけていくこと。ぜひ、体力のあるうちに、です! ――最近は、結婚や不妊などに悩みを抱えている女性も多いです。 夏木:私は自然主義なので、どんな人生にも、そうである意味があると思っています。皆それぞれの役割分担があって、何かの使命を背負っている。結婚に至らない人の人生にもきっと何か意味があるし、離婚した人にもそうなった意味があるはず。友達に子どもができたって焦らなくていい。皆それぞれの人生に誇りを持って生きればいい、と思いますね。 私は、印象派の舞台に取り組んだ20年間で、本当に心も身体も鍛えられました。大変なことにたくさんぶつかるなかで、欲を捨てていくことも覚えましたし、「今のこの困難には、必ず何か意味があるはず」と信じてやってきました。だってそう思わなきゃ、何かあるたびに、いちいち死んじゃいたくなっちゃうでしょ(笑)? 途上国に思いを馳せてもらうきっかけにライブ――素敵なメッセージをありがとうございます。今年の「One of Love」のライブも間近ですね。出演者もとても豪華です。 夏木:ありがとうございます。毎年、「One of Love」の意図をお話して、賛同してくれた皆さんがボランティアで出演してくれています。活躍されている方ばかりなので、「仕事のスケジュールを優先してね」と言っているのですが、皆わざわざ予定を空けて出てくれる。本当にありがたいことです。 そうして例年、大勢の方に出演いただけて、3時間ライブをやっても1人2曲程しか歌ってもらえない状態だったので(笑)、今年は少し出演者の数を減らして、一人ひとりの持ち時間を長くしました。全体的にロック寄りのライブになると思いますが、とにかく楽しいライブなので、ぜひ仲間や大勢で盛り上がってもらえたらと思います。 そして少しでも、途上国に思いを馳せてもらうきっかけにしてもらえたら。お客様からも毎年「こういう形で支援に参加できて嬉しい」といった感想をいただくのですが、そう思っていただけたら、本当にありがたいことです。今年はプロジェクトにちなんだバラのフラワーボックスや、リング(指輪)なども用意しています。 ――来場者へメッセージがあれば。 夏木:「One of Love」という名前は、私たちは(エチオピアへ行って)1個の愛を見つけたよ、という意味で名づけました。バラに触れたり、ライブに来たりすることで、自分の行動のきっかけにしてほしい。そんな思いです。とにもかくにも、6月21日は毎年永久にこのライブをやりますので! 1年に1度です。この活動があること、思い出してもらえたら嬉しいです。
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