経済協力開発機構(OECD)が先ごろ、加盟国の家事時間に関する調査結果を発表した。発表によると、男性の1日の家事時間が3時間を超えていたのはデンマークとノルウェー。日本は1時間2分で、最下位の韓国は45分だった。 一般的に、北欧=イクメン先進国、アジア=イクメン発展途上国というイメージが定着しているが、今回の調査結果に関する各国の報道から、データの背景にある現実が垣間見られる。 オーストラリア男性がスウェーデンに移住しイクメンに転身!北欧が男女での家事分担や育児休暇制度が整っていることは度々報じられている。オーストラリア出身で現在はスウェーデンに住む公認会計士の男性が、かつては想像もしなかった自身のイクメン生活を送っていると、オーストラリアのオンライン・ニュースサイトWAtodayが報じている。6か月の育児休暇を取得した後、復職後は1日おきに午後3時にオフィスを出て幼い子供たちを保育所に迎えに行くというこの男性を、“男女共同参画のパイオニア”と紹介している。 だがオーストラリアの状況が悪いわけではない。今回のOECDの調査結果で男性の家事時間は2時間52分で3位に入っている。しかし彼の母親から見れば、息子のスウェーデンでの生活ぶりは奇妙に映っているようだ。ともあれ、息子は周囲のイクメン仲間たちと交流しながら、スウェーデンでの生活を満喫しているという。 インドの男性は家では指1本動かさないのが美徳!?欧米のメディアは、日本と韓国の男性の家事時間の少なさに注目しているが、今回の調査結果によると、インドの男性の家事時間は52分で、韓国と日本の間である。Times of India紙は調査結果を受けて、インドでは男性が紅茶のいれ方を教わったこともなく、母親は自分の息子が家では指一本動かさないことを称賛する風潮があるという専門家のコメントも紹介している。 女性の家事時間は最長6時間17分では、女性の家事時間はどうだろうか。調査結果によると、最も少ないのはノルウェーの女性で3時間30分、最も多いのはトルコの女性で6時間17分だという。ノルウェーは男性と女性の家事時間の差が30分なので、時間数から見ると分担はうまくいっているようだ。一方、日本の女性は4時間59分で男性の約5倍、インドの女性は5時間52分で男性の約6倍で、男女の差が大きい。キャリアを持つ女性が増えており、男女間の差は徐々に縮まりつつある一方で、依然として一部の国では大きな差がある。その差には、社会制度だけでなく、その国の風潮も大きく影響しているようだ。 |