生理前は異様にイライラしてしまう。そんなPMS(月経前症候群)の悩みを抱えていませんか? ホルモンケア推進プロジェクトの調べによると、約6割の女性がPMSを自覚しており、勤務先で昇進を打診されたことがある女性のうち、PMSを理由に昇進を辞退もしくは辞退を考えたことがある女性は62.5%もいるそうです。 また、閉経前後に主に女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの急激な低下や、ストレスなどの外的要因が影響し引き起こされる更年期症状も、8割の女性が自覚し、約半数が昇進を辞退しています。 PMSや更年期症状など体の変化は女性のキャリアにおける課題リクルートの調査によると、管理職に就任する女性の年齢の多くは、体調や生活の変化が大きい35歳?40歳前後。ところが、責任のある仕事を任されたり、仕事と子育ての両立や介護など、多くの女性が多忙な時期を迎える30代後半以降から女性の心と身体に様々な影響を与える女性ホルモン(エストロゲン)のレベルは低下しはじめ、それにより心身各所の不調につながり日常生活に支障が出てしまう場合も。これらの不調で他に原因となる疾患がない症状を更年期症状と呼び、中でも生活に支障をきたす症状を更年期障害と呼びます。 政府が女性役員の登用を呼びかけるなか、女性がキャリアを築くにあたり仕事や私生活に大きく影響するホルモンに関連したPMSや更年期症状など女性の体の変化は数ある課題の一つとも言えます。 今回は、ホルモンケア推進プロジェクトが開催した「注目成分エクオールと腸内フローラについて学ぶ」というメディアセミナーに参加。産婦人科専門医の松潔先生による講演で、PMSや更年期障害に有効な成分について学んできました。 エストロゲンに似た作用をもつ「エクオール」現在注目を集めている成分が「エクオール」。これは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が、腸内細菌の働きでエクオールという成分に変換されたもので、このエクオールがイソフラボン関連の中では強いエストロゲン作用をもたらします。PMSや更年期障害は主として女性ホルモンの変動により引き起こされるので、エクオールの摂取が更年期障害に有効であることが明らかになっており、PMSにも効果がありそうとのことです。 大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によってエクオールに変換され、強いエストロゲン作用を示す エクオールを産生できるのは2人に1人エストロゲンはPMSや更年期症状の改善に効果があるだけでなく、脂質異常症(いわゆる高コレステロール血症)や骨粗しょう症の改善、肌にも好影響を与えます。エストロゲンに似た作用をするエクオールは、良いことだらけの夢のような成分ですね。 と、思いきや、大豆イソフラボンからエクオールを体内で産生するのに必須である腸内細菌「エクオール産生菌」を持っている割合は日本人だと2人に1人! 豆腐などの大豆製品をよく食べるからなのか、日本や台湾などでは約50%の人がエクオールを産生でき、欧米では約30%程度の人しか作れていないという調査結果も出ています。 また、現在50歳くらいの日本人だとエクオール産生者は2人に1人ですが、大豆製品をあまり食べない若い世代だともっと少ない可能性があるのだそう。大豆製品を摂っても、腸内細菌の「エクオール産生菌」が無い、または持っていても活発に活動していないとエクオールは作れず、大豆イソフラボン(ダイゼイン)のまま吸収あるいは排泄されてしまうのだとか。 エクオール産生者は大豆製品を毎日食べる人に多い作れる人と作れない人がいるエクオール。「エクオール産生菌」を持っている人には、小さい頃から大豆製品を毎日食べていた人や適度な運動をしているといった特徴があるようです。また、エクオール産生菌を持っていても、しっかり菌が働くように積極的に食物繊維を摂るといった腸内環境に良い食事を心がける必要もあります。 さて、ここで気になるのが、自分はエクオールを作れるのか。今回のセミナーでは希望者に「ソイチェック」と呼ばれる尿検査にてエクオールの産生者かどうか分かる検査が行われました。結果……筆者は測定数値が0.25未満で、エクオールを作れていませんでした。よく考えてみると、子どもの頃は豆腐が嫌いであまり食べていなかったことを思い出しました。大人になった今は、冷や奴は最高のビールのつまみなのですが……。 今回のソイチェックは25名受けたうち、エクオール産生者は10名。産生者は40%程度でした。 このLevel1?2の「エクオールが作れてない」と診断された場合、残念ながらエクオール産生菌を持っていない可能性が高いとのこと。ただし、この結果はあくまで可能性で、菌を持っているけれど測定時の腸内環境が悪く、菌が働かずにエクオールが作れていない場合もあるとか。その場合は食生活を見直し、毎日大豆製品や食物繊維を摂取するとエクオール産生菌が活動してくれる可能性があるそうです。 エクオールの産生菌をもってない人、また菌が働いてない人は、エクオールを直接摂取できるサプリメントも市販されてるので大豆製品を毎日取れない方にも手軽で便利ですね。 PMSに負けずに健やかで気分の良い日々を送れるよう、まずは大豆製品を毎日摂ることから始めた筆者。エクオールについて、もっと周知されると女性のキャリア向上に?がりそうです。
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