質のいい睡眠がとれている人は、コレステロール(中性脂肪)の値が良好だった。 そんな研究結果が発表されたのだそう。2004年から2009年にかけて健康な360人の男女(ニューヨークの警察官)に協力してもらい、早番、遅番、深夜番*のそれぞれの勤務形態が、健康状態にどのように影響するかを調べたところ、どうやら「勤務時間」と「睡眠の質」が、コレステロール値に関連していることが判明したとのことです。
やっぱり「日中勤務」の方が健康?特に40歳以上ではその関連性は顕著で、また女性に関して言えば、「日中勤務で」「(夜に)質のいい睡眠をとっている」ことが、コレステロールの状態を良好にキープするための重要なファクターであることが見えてきました。 研究では、勤務時間の他に、「年齢」「BMI」「喫煙習慣」「飲酒習慣」「学歴」「職位」「睡眠時間」などあらゆる項目をピックアップして健康状態との関連性を調べました。すると「勤務時間」+「睡眠の質」の相関が一番顕著という結果に。逆に言えば、深夜番でもぐっすり眠れていれば、コレステロール値にはそれほど影響しないようです。 さらに詳しく見ていくと、遅番の人は他のシフトの人よりもHDL(善玉)コレステロールの状態が良好だったそう。逆にLDL(悪玉)コレステロールに関しては、シフトや睡眠の質との関連性は見つかりませんでした。 カギになるのはCLOCK遺伝子夜勤勤務(=日を浴びない生活)の場合、睡眠とホルモン(メラトニン)の生成が遮断され、体内時計を狂わせてしまいます。ヒトの体内では約24時間をサイクルとする時計(サーカディアンリズム)が、身体の中のさまざまな仕組みを調整してくれていますが、なかでも重要なのがCLOCK遺伝子と呼ばれるもの。 この遺伝子は「朝(=その日の始まり)」を感知することで、脂肪代謝系の他の遺伝子をコントロールし、脂質吸収を制御してくれています。深夜に起きていて質のいい睡眠がとれずにいると、やがて身体のリズムが崩れて、CLOCK遺伝子が働かなくなり、脂肪代謝がうまくできなくなると考えられるのです。 ついつい深夜までパソコンに向かって仕事をしてしまうという人は、眠る前に瞑想をして睡眠の質を高めたり、生活サイクルそのものを朝型に切り替えたりといった工夫が必要かもしれません。 (編集部) |