1984年マドンナの『ライク・ア・ヴァージン』が世界的大ヒット。1986年、日本では男女雇用機会均等法が施行。それまで女性は家庭を守るものとされた女性の社会進出が促進され、女性総合職が誕生。好景気を背景に、仕事帰りはディスコに通い、昼も夜もパワフルに活動する女性は「オヤジギャル」と呼ばれたバブル時代。
そんな文化に憧れ、完全再現したパフォーマンスで注目を集めている20代女性2人組がいる。彼女たちを魅了するバブル文化とは何か、なぜ今バブルなのかを、地下セクシーアイドル「ベッド・イン」に聞いた。 オンナだって、性欲があってもいいじゃない――ふたりの出会いは? 中尊寺まい(以下、まい):もともと80年代日本の文系パンクと汚いハードロックとひねくれたリフ歌謡を足した様な「例のK」というバンドをやっていたんですが、バドガールのアルバイトをしているときに、「荒木師匠」(ディスコ「ジュリアナ東京」で“お立ち台の女王”と呼ばれたカリスマ)に似てると言われて。それまでも昭和の文化や歌謡曲は好きだったのですが、それがきっかけで古本屋で当時の雑誌やVHSを集めだしたり、両親のアルバムを見たり、バブル時代に興味チ……、あ、シンシンに……! 益子寺かおり(以下、かおり):私も以前から『妖精達』という、昭和歌謡香るギラギラした女5人ロックバンドのボーカルとしても活動しているんですが、「顔が青田典子サンに似てる!」とよく言われてたんです。ちゃんまい(中尊寺さんのこと)と別のバンドで対バンしたときに、「バブル顔って言われない?」と声をかけられて意気投合。翌週には二人でイタメシ(イタリア料理)行って、ジュリ扇(ディスコ「ジュリアナ東京」で流行した羽根扇子)振ってオケカラ(カラオケ)みたいな? まい:1回きりの企画バンドとして、2人でSHOW-YAさんやアン・ルイスさん、ROCK期の本田美奈子さんや浜田麻里さんのカバーを演ったんですね。その反響が大きくて、多方面でお声がけいただくようになりました。 ――AKB48やももクロなどアイドル戦国時代に、あえて“バブル”でアイドルユニットをやろうと思ったわけは? かおり:今のJAPANって、清純派のロリロリなアイドルがマン延しているじゃないですか。モチのロンでアイドルの皆さんに罪は全くないですが、処女性ばかりを追い求める男たちが溢れるのはおかしいんじゃないかというアンチ精神から一念勃起しまして。こういう“ケバっ娘”もモア・ベターでショ? っていう♪ まい:スケベで経験豊富なチャンネ?(お姉さん)もいいもんだろ?というのを言いたいですね。というか、2人でなら工藤静香さんバリに嵐を起こせそうな気がしたんですヨ! 80?90年代初頭にブイブイ言わせていたお姉さんは、性欲があることを隠さないし、お酒を飲むのも、タバコを吸うのも堂々としている。このご時世にそんなアイドルをやってみたら、どうなっちゃうんだろうというのが始まりですね! 女性ファンが急増! 20代女性にバブルブームが到来?――ファンは、当時を知る男性が多いんですか? かおり:マル金パパ(お金持ちのおじさん)たちは「懐かしいね」と言って下さったり、当時を知らないナウでヤングな子たちにとっては新鮮みたいで「自分もやってみたい!」とおギグ(ライブ)に赤いルージュをつけたボディコン姿で来てくれる子もいたり。特に20〜30代女子のワンフー(ファン)が増えた印象ですね。むしろ、男性よりも女性が多いんじゃないかしら……!? 自分たちでも「ぶっとびぃ〜!」な展開です。 ――強い女の子に憧れる感じなんですかね。 まい:ウチらもそうですが、強い女性像に憧れがあるんですよね♪ 今のロリロリのアイドルちゃんたちは、彼女たちが悪いわけではないですけど、彼氏はつくれないし、処女性を貫かなくてはいけない。それに影響されて、若い女の子も男の子も清純派が良いと思い込まされていると思うので、ちょっとでも打破していければいいなぁ?と。「何も我慢しなくていい」と言っていきたいと思います。ロンモチで性欲もね? 『TV海賊チャンネル』から『殿様のフェロモン』あたりまでの深夜番組は、すごかったじゃないですか!! そういうのを見てギンギンな方が健全だと思うな、ちゃんまいは。 かおり:以前、浅草の「マルベル堂」さんでプロマイドを作らせて頂いて。その発売日に、ウチらが性徒諸クン(ベッド・インのファン)をバブル・オン(バブルファッションをオン)して一緒にプロマイドを撮ろうというイベントをヤッたんです。まいが“サロン・ド・まい”として髪をおっ勃てて、私が“ハウスマヌカンかおり”として服を着せたり太眉・ケバケバなメイクをしたり、性徒諸クンの“Eナオン”(いい女)と男の色気を引き出して。好評だったので、またヤリたいですね。次はバブル・オンからの「ねるとんパーティー」主催なんかも面白いかも! 現在、トレンディードラマを自主製作中!?――今後の活動は? かおり:まずは音楽活動やライブ活動をしっかりやって、それと並行していろいろとバラエティーにもチャレンジしたいですね。トレンディードラマを自主制作したいと企んでいたり……。なかなか実現していないんですけどネ、まいっちんぐ!(笑) まい:私が脚本を書いているんです。ドラマ『抱きしめたい!』(88年)や『素顔のままで』(92年)を足して、煮て炒めたみたいなストーリーで私たち二人が主演。周りのベンリ君(色々やってくれるクリエイターさんのこと)を集めて製作して、いずれYouTubeで配信しようと思っています。 ――テレビやイベントで、芸人枠で扱われてしまうことに抵抗はありますか? かおり:当時の深夜番組みたいなカラッとしたスケベさを体現したいので、笑いやユーモアは必須だと思っているのですが、あくまでもベッド・インは“地下セクシーアイドル”でございます!(笑) まい:やみくもに「売れたい」というよりは、ナニより自分たちが好きで自主的に活動しているので、ウチらが面白いと思って発信していることをみなさんが面白がってくれるなら、何でも“マル痴”に活動していきたいと思っています。 かおり:DA〜YO〜NE〜! でも、ビーチクとアンダーヘアだけは死守で!(笑)
まい:リンゴで隠しちゃいたいと思います♪
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