春になって環境が変わると、一人暮らしを始める女性も多いのではないでしょうか。そんな時に気になるのが、やはり防犯事情。物騒な事件が頻発するこのご時世だからこそ、「自分の身は自分で守らなきゃ」という意識が高まるのは自然なこと。 サブカルの聖地・秋葉原で2005年にオープンした「アキバガレージ」では、なんと催涙スプレーやスタンガンといった防犯・護身用グッズから、盗聴器、小型カメラ、画像安定装置などのちょっと怪しげなグッズまで、よりどりみどりで販売されています。防犯・護身の相談に来る女性客も多いという「アキバガレージ」店長・戸矢好政さんに、防犯に興味津々の「中華性力剤」女性スタッフ2名が直撃してみました。 彼氏よりも役に立つ 護身グッズ三種の神器「防犯ブザー」「催涙スプレー」「スタンガン」――「アキバガレージ」で一番売れている防犯グッズを教えてください。 戸矢好政さん(以下、戸矢):うちの売れ筋トップ3は防犯ブザー、催涙スプレー、スタンガンです。警棒も販売しているのですが、力が必要なので、女性のお客様にはお勧めしておりません。 3つのうち、いつも一番始めにご紹介するのが防犯ブザーです。実のところ、催涙スプレー、スタンガン、警棒に関しては、持ち歩いていると軽犯罪法に抵触しますから。そちらについては、警察に相談して「護身してください」とアドバイスを受けた後に携帯するのがベストかなと思います。 防犯ブザーといえば、よく小学生のお子さんが持っているようなものをイメージされるかと思うのですが、うちで販売しているものは一味違います。 ――どう違うのですか? 戸矢:たとえば、ピンを引き抜いて鳴らすタイプの防犯ブザー。ピンを投げ捨てることで、相手に止められることを防ぎます。 また、音だけでなく、「キャー」「助けて」という悲鳴が入っているタイプの防犯ブザーもあります。ブザー音だけですと、他の音に紛れて周囲の人に気がついてもらえない可能性があるのです。特に繁華街だと、喧騒にかき消されてしまいますからね。人の声が入ることで、俄然注目を浴びやすくなります。 変わり種としては、空気を利用して音を出す防犯ブザーもあります。人によっては、しばらく耳が聞こえない状態になりますね。これは、閉鎖空間で最大限の効力を発揮します。 催涙スプレーとスタンガンの使い分け戸矢:催涙スプレーは、押すと霧状の液体を噴射する護身用グッズです。化粧水やリップスティックを摸した可愛らしいデザインで、女性にとって持ち運びやすいものになっています。やっぱり持ちやすくないと、意味がないですからね。旦那さんが、奥さんにプレゼントするために購入されるケースもありますよ。 人気があるのはショッキングピンクの催涙スプレーです。まさに女性向きですね。暗い中でも見つけやすい明るい色で、何かあってもすぐに取り出すことができます。 ワンタッチで使えるものもあれば、「バッグの中で誤作動を起こしてしまうのでは?」と不安をお持ちの方のために、キャップ付きのものもありますね。 ――どのようにして使うのでしょう? 戸矢:催涙スプレーの効能は、たとえるなら「目に唐辛子を入れる」ようなイメージです。かけたらすぐ逃げて、追いかけられたら噴射し続けてください。 格闘家の方もよく仰っていることなのですが、正直、どんな人間でも、粘膜を鍛えることはできませんからね。 なお、危険に遭遇しても「退治してやろう」という考えだけは絶対やめてください。あくまで助けを呼ぶ時間、逃げる時間を稼ぐためのものだと考えていただいたほうがよいです。 ――ピンク色のスタンガンがあるんですね! 戸矢:見た目は可愛いですよね。でも、はっきり言って危険です(笑)。スタンガンは相手を威嚇するのが主になります。ドラマなどのように、直接人にあてがって倒すようなものではありません。バチバチと電気を発して、「近づきたくない」と思わせるようにするんです。 それでも相手が近づこうとしてきた場合、それはのっぴきならない興奮状態だと思いますから、その時は催涙スプレーを使うことをお勧めします。 メイド、アイドル…ヘビーユーザーは、ファンがつく商売の女性――どういうお客様が多いですか? 戸矢:いわゆる「夜の商売」をされている方が多いですね。風俗店に勤めている女性もいらっしゃいますし、秋葉原なのでメイドさんなどもおられます。あるいはアイドルなど、「ファンのつく商売」の女性がお得意様になりやすいです。 深夜まで営業している飲食店やメイドリフレの経営者の方から、護身用としてお問い合わせもたくさんいただきますし、キャバクラの店長さんがスタッフ分まとめてお買い上げになったり、アイドルをプロデュースしている会社の社長さんが、防犯ブザーの類と催涙スプレーをひと揃い購入していかれることもありますね。日によっては、本当に何十本も売れます。他には、企業のオーナーさん、飲食店の方、現金を持ち運ぶ金融業の方などもいらっしゃいますよ。 ――客層が幅広いですね! 戸矢:先程挙げたような職業の方々は、やはりそうした護身に対する意識が非常に高いですね。しかし、このご時世、どなたに何が起こるかわからないので、一般の方にも防犯意識を高めてほしいと常々思っています。防犯・護身用グッズは生命保険のようなものなんです。本当に使うかは分からないけれど、準備しておくに越したことはないんですよ。
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