あんなに優しかった妻が、子供が生まれた途端、豹変した……。 「産後クライシス」をテーマにしたドラマ『残念な夫。』(フジテレビ系)。住宅会社に勤務する一級建築士の榛野陽一(玉木宏)と、専業主婦の榛野知里(倉科カナ)の夫婦が、初めての育児に奮闘するホームコメディです。 初回の放送では、子供が生まれても変わらぬ夫、変わってしまった妻の対比や、「育児あるある」がさく裂し、ツイッターでは「共感する」「子供を産みたくない」など様々な感想が飛び交いました。 赤ちゃんが泣きやまず病院に駆け込む残念夫1月21日放映の第2回は、妻が同級生の結婚式にが出席することになり、ひとりで赤ちゃんの世話をすることになった夫のドタバタが描かれました。 泣き止まない赤ちゃんに「もしかして病気?」と病院に連れて行ったり、「やっと寝たからそっとしとこう」と寝返りしづらい外出用ジャンプスーツのまま、うつ伏せで寝かせてしまう(大変危険!)など、夫が残念ぶりを連発し、ツイッターでは憤慨と共感の声が。 ・夫は「俺はここまでひどくない」って言ってるけど、思ってるのは自分だけ。 ・赤ちゃんを床に転がして、自分は酒飲んで寝ている旦那を私は許せる自信がない。 ・うちもこの前、子守り任せて1時間スーパーに行っただけなのに、泣きながら玄関で子供が待ってて、奥を覗いたら旦那が寝てた! ・観終わってから嫁の顔をしっかり見れない。
産後離婚経験者が指摘「ケンカしているうちはマシ!」子供が4歳のときに、離婚を経験したA子さんは、ドラマについてこう語ります。 「この夫婦に救いがあるのは、妻が自分の気持ちを言葉で説明でき、夫がそれなりに歩み寄ろうとしていることです」 A子さんは、ドラマでも描かれた産後の代表的なケンカのパターンを繰り返したそうです。 夫「手伝おうか?」 妻「手伝うとかそういう問題じゃない!」 夫「じゃあ、どうすればいいんだよ!」
この時、「もういい! 育児は私が全部やる」とブチ切れたりせず、ドラマのように「もっと子育てに関わってほしいの!」と説明できていたら離婚せずに済んだかもしれない、と振り返ります。 夜中一緒に起きて労ってくれるだけでいい子供が2歳の時に離婚したB子さんはこう語ります。 「産後2か月で仕事に復帰したので、子育て、仕事をひとりで抱えていました。会社に迷惑をかけないように家でも仕事をしていると、当時の夫が気持ちよさそうに寝ていて……」 夫は育児に関わらなかったのでしょうか。 「『俺では役に立たない』と言って、あまり手伝ってくれませんでした。確かに自分でやったほうが早いんですが、そうではなく、子供が泣いたら一緒に起きて『おつかれさま』とお茶をいれてくれるだけでよかったのに」 夫よりも収入の多かったB子さんは、夫と一緒にいる意味がわからなくなり、迷わず離婚を選んだといいます。 「産後クライシス」からの生還は「理解する努力」壮絶な「産後クライシス」から生還し、現在は平和な夫婦関係を維持しているC子さんは、ポイントは「理解する姿勢」だと言います。 「ケンカシーンは懐かしくて涙が出ました。うちは夫が仕事で勝負の時期で、お互いに余裕がなく、『俺だって頑張ってる』『やって欲しいのはそうじゃない』と当時は激しくぶつかりあいました。出産を経て、私は『母』にならざるを得なかった。それに対して夫も『俺も変わるよ』と意思表示をしてくれるだけでよかったんです。それをうまく説明できずに、二人で何度も話し合いました。そこで夫が私の気持ちを理解しようと、辛抱強く粘ってくれた。それがとても嬉しかったですね」 C子さんは「幼稚園に入園する3歳頃になると育児がすっと楽になった」と言います。その時点で夫婦関係が冷え切っていると、A子さんのように離婚を選択してしまうのかもしれません。 第2回の放映終了後に印象的なツイートがありました。 「まぁ……どっちの気持ちも分かるわな。若い時は大いにケンカし、本音を語り合うがいいさ。そこで歩み寄って相手を思いやる気持ちさえあれば、長く一緒の道を歩いていけるんじゃないかな。だって無理だと思って諦めたらサヨナラだモン」
『残念な夫。』を見て、産後クライシスを乗り切る上手な「夫婦ケンカ」を学んでみてはいかがでしょうか。 (穂島秋桜) |