婚活パーティーや社会人サークルなど、現代社会には「出会いの場」がごまんと用意されています。ある意味、恵まれた環境の中、「出会いがない」とはなかなか言いづらいものですが、一人ではなかなか一歩を踏み出せない女性も多いでしょう。そういった女性たちが、密かに利用しているのが「便利屋」です。 「レンタル恋人」と「出張ホスト」の違いとは?レンタル友達や婚活・恋活サポート、ヤキモチやかせ隊などのサービスを行なっている便利屋・サポートワン代表の古川めぐみさんにお話を伺いました。 「便利屋さんと聞くと、引っ越しの手伝いとかゴミ屋敷の片付けとか、いわゆる力仕事を連想する人が多いかと思うのですが、私たちは、人材レンタルを主力としたサービスを行なっています。弊社のスタッフは元・役者や現役の役者が多いんですよ。そうでないスタッフも在籍していますが、みな様々なスキルや経験を生かして活躍しています。就業前に徹底した研修を行っているので、演技力には自信があります」(古川さん)
人材レンタルと聞いて、筆者の脳裏に浮かんだのは「出張ホスト」。便利屋が行なっている「レンタル恋人」と、巷の「出張ホスト」は、一体どこが違うのでしょうか? 「出張ホストさんの場合は、利用する女性が『楽しむ』ことがメインになっているかと思いますが、弊社の『レンタル恋人』は、何らかのご事情により恋人役として赴くケースが多いです」(古川さん)
一例を挙げると、女友達に対して、売り言葉に買い言葉でつい、「イケメンの彼氏がいるの」などと口走ってしまった場合、黒服だったり金髪だったり、いかにもホストという風貌の男性では嘘くさくなります。ホストっぽくないイケメンが必要な場合、好青年ふうのイケメンスタッフが派遣されることになるのです。もちろん、出張ホストのように「楽しむ」目的での利用も受け付けています。依頼者が望めば、国内外問わず、1泊以上の旅行に同行してもらうことも可能。ただし、部屋は別々で。 「基本的に身体的な接触は行なっていないんです。並んで歩いても、手を繋いだり腕を組んだりしないのが、出張ホストさんとの違いかもしれませんね」(古川さん・談)
味気ないように感じる人もいるかもしれませんが、あらぬ誤解や勘違いを与えないようにする姿勢も、出張ホストと異なるところ。その場を楽しむために盛り上げることはあっても、「好き」「付き合おう」などの具体的な言葉は一切出さないのだとか。 女性依頼者が「レンタル友達」として女性スタッフを依頼そして、独身女性の婚活サポートサービス。冒頭でも述べたとおり、婚活パーティーなど出会いの場に、一人では足を運びづらい女性を応援すべく、女性スタッフを友達役として同行させるサービスも。 「友達役があまりにも華美だとやりづらい場合もあるかと思いますので、お化粧や服装など目立ち過ぎないよう気を付けています。逆に、ある程度華やかな友達役を求めているお客様もいらっしゃいますね」(古川さん)
アラサー以上の世代は、人間関係が精査され、誰彼構わず行動を共にしたりしないもの。精査された人間関係の中でも、親しい女友達がすでに結婚していたり、彼氏持ちだったりすると、さすがに婚活パーティーには誘えません。だからと言って、親しくもない知人を誘うのも気が引ける……そういった理由から、気楽なレンタル友達を依頼する女性が増えているのだとか。 同性のレンタル友達は、婚活サポート以外にも、「コンサートに行きたいが、周囲の女友達と音楽の趣味が合わない」などの理由で、利用する依頼者も存在します。ただ同行するだけではなく、ミュージシャンに関する情報は事前に把握しておき(ヒットソングなど)、コンサート前後の会話も弾むよう、きめ細かいサービスが行なわれているのです。 アラサー世代なら払えない金額ではない気になるのはお値段ですが……。 「同性同士でカフェに行きたい、意中の男性の前でヨイショしてほしい、誰かに対して一緒に謝罪してほしいなど、依頼内容によって料金は異なります」(古川さん)
たとえば、「今が旬の牡蠣を食べにオイスターバーへ行きたいが、周囲は牡蠣が苦手な人ばかり」という依頼に、同性のスタッフが向かう場合は、1時間5,000円に出張料金が1,000円(都内)、1時間延長につき3,000円。時間帯にもとりますが、2時間なら9,000円の計算になります。アラサー以上になると、経済的に少し余裕が出てくるので、払えないような額ではないという部分も、利用者にとってのポイントなのでしょう。 「どんなご依頼をされても、お客様を否定したり、ましてやお説教することは絶対にないので、依頼内容が恥ずかしいなど気にせず、気軽にご利用頂ければと考えています」(古川さん)
「婚活パーティーに行ってくれる友達がいない」とボヤき続けても、そこからは何も生まれません。そういった意味では、思いきって一度試してみるのもアリ! 婚活に限らず、何らかの事柄に対して躊躇している人にとっては、良いきっかけとなるでしょう。 |