英国メディアの報道によると、「女の子にピンクの着用を強制すると、将来に害を及ぼす可能性がある」と教育関係者が警告しているそうです。 第一次世界大戦時には男の子はピンク、女の子はブルーだった英国プレップスクール協会の広報担当者、ハンナ・ウェブスター氏は、「本来のアイデンティティにかかわらず、ジェンダーによる色分けが、子どもたちを特定の役割に向かって導く」と述べています。 さらに、子どもたちのおもちゃはいまだに男女別に色分けされていて、女の子は「かわいくてフリフリ」な役割、男の子は「精悍」で責任を取る役割を担わされていると彼女は言います。 私立学校のための雑誌「Attain」には、第一次世界大戦時には男女に割り当てられた色は逆だったと書かれており、「Ladies’ Home Journal」の1918年版によると、当時のルールでは、男の子はピンク、女の子はブルーだったそうです。ブルーは柔らかく、女の子のためのきれいな色と捉えられており、聖母マリアはしばしばブルーで描かれていました。 子どもが生まれる前から評価が決まってしまう「ピンクとブルーの色分けは問題ではなく、男の子はブルーが好きで、女の子はピンクが好きなのは事実である、と言う人たちがいますが、それは間違っています」とウェブスター氏は述べ、さらに次のように付け加えています。 「もし私たちが、ジェンダーに特定の色を指定するならば、他のすべてのことを男女別に指定することになります。結果、女の子と男の子は別の本を読み、別のおもちゃで遊び、別の科目を勉強し、別の職業に就き、職場や家族内で異なる役割を持ち、最終的に社会に異なる評価を受けることになります。ここで有害なのは、個人のアイデンティティや才能に関係なく、その役割や特性に起因することになるということ。つまり、子どもが生まれる前から評価が決まってしまうことになります」
おもちゃ売り場を男女別に分けるのをやめるキャンペーンウェブスター氏は、男の子と女の子のサインを玩具店から外すキャンペーンを開始しました。すでに、百貨店のマークス&スペンサーは、そのおもちゃ売り場を男女別に分けず、「ジェンダーニュートラル」にすることを約束しました。また、本の性別分けをやめる類似のキャンペーンは、児童文学者や詩人らによって支えられています。 ウェブスター氏は言っています。 「私たちのほとんどは、性別よりも、自分のアイデンティティ全体に応じて判断される社会を望んでいます」 「女の子はピンク」「男の子はブルー」と決めつけることが、どれだけ将来に悪影響を与えるか、それは未知数ですが、確かに多かれ少なかれ影響を与えることは間違いないようです。まずは、そうした思い込みから解放され、好きな色を選び、それを他人にも認められるようになることが、自由でより生きやすい社会への近道かもしれません。 (リプトン和子) |