“アドバンスト・ファッション”をご存知でしょうか。自身の置かれた立場や役割、あるいは年齢にとらわれずに、自分が一番着たい服、自分らしく輝ける服を堂々と身につけよう。そんな信念を感じさせる、オシャレでカッコいい人たちの新しいスタイルです。 そんな気概を感じさせてくれる写真展「超オトナ写真館」が、山口県下関市で開催されています。モデルとなったのは、下関在住の65歳以上の方々。プロのヘアメイク&スタイリストがファッショナブルに変身させ、有名カメラマンが下関市内各所で撮影を行いました。 65歳以上がモデルの「超オトナ写真館」写真館が開催されているのは、百貨店「下関大丸」。「下関大丸」では顧客の平均年齢が60歳を超えているほか、従業員の年齢も高齢化が進んでいるのだそう。高齢化の進む地域社会が、その背景にあります。 そこで、今年の4月に発足したのが「特大の丸プロジェクト」です。「地方・地元密着型の百貨店のあり方」や「高齢化百貨店ならではの活性化施策」を考え、発信していく??その第一弾として企画されたのが「超オトナ写真館」なんです。 65歳以上のシニアと呼ばれる方々を「超オトナ」と定義し、ファッションを通じてさらに元気になっていただきたいという想いが込められています。 一般公募や推薦で選出された30組の「超オトナ」たち。最先端のファッションに身を包み、生き生きとした魅力に溢れる写真が、下関大丸のいたるところに展示されています。その一部をご紹介しましょう。 お洒落なんて、一度もしたことがなかったという金崎フユコさん(82歳)。今回の体験を通して生まれ変わったような気持ちになったのだそう。 写真を撮られることが、本当はあまり好きではないという石川良子さん(69歳)は、実際の撮影ではときめきを感じたとのこと。 ご夫婦で参加された中邑美智代さん(69歳)、中邑義和さん(73歳)は「病気から復帰した夫と、記念になるものを」と。 仲良し姉妹で写っているのは、鶴島直子さん(66歳)、迫田知子さん(65歳)。いつもと違うメイクは貴重な体験だったそうです。 参加された方々からは「ピンク色の服は初めての体験。高揚して夢のような気分でした」「オシャレをしたら、年齢を気にしなくなった」「最初は躊躇したけど、挑戦してよかった!」という声が聞かれたそうです。 年齢や歴史を重ねていくことをポジティブにとらえよう。そんなメッセージが伝わってくる、パワフルな写真。年齢を重ねて、弱気になる必要なんてない。いくつになったって、どんな役割があったって、自分をめいっぱい楽しんでいいんだよ。そんなふうに、背中を押してもらえそうですね。
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