先月26日、視力を矯正するレーシック手術の件数が激減しているという報道がなされました。 手術症例数の変化を見ると、2008年には45万件に達したものの、2014年には5万件とピーク時の9分の1に激減。その原因は、2009年に発覚したレーシック手術患者間での集団感染事件にあるのではないかと言われています。 集団感染事件は実際にどんな影響を与えたのか、なぜ大きく減少したのかを「安心LASKネットワーク事務局」に聞いてみました。 「不具合」には軽い症状も含まれている「一人の眼科医の不適切な医療行為による感染症事件は、レーシック=危ない手術という誤解を招き、レーシック手術離れを引き起こしました。さらに2013年、消費者庁が『レーシック手術経験者の4割が不具合を感じている』と発表したことも大きな影響を与えたと思います*。 ネットワークの眼科でも、以降は手術のキャンセルが多発し手術数は減ったと聞いています。実際にレーシック手術を止めた眼科も存在し、ネットワークの眼科施設も全国55施設から49施設に減りました」 レーシック手術はリスクの高い手術なのでしょうか? ネットワーク所属の眼科、南青山アイクリニックの戸田郁子先生が答えてくれました。 「レーシックの適応条件を満たし、最新の機械や知識、技術による治療を受ければ、とても安全性の高い治療です。日本屈折矯正手術学会が2013年にレーシック手術7万1089件について調査したところ、感染症はゼロ。その他の合併症についても調査し、レーシックの有効性と安全性は高いと発表しています」 消費者庁の「手術経験者4割に不具合」という発表は? 「消費者庁が“不具合”とされる症状(術後の痛みやドライアイなど)のほとんどは手術直後には一時的に起こりうるもので、その後消失していきます。これは予測される合併症で、術後の適切なケアで解決できるものと思います」 手術前にメリット・デメリットの理解をでは、レーシック経験者は、不具合や手術件数の減少についてどう思っているのでしょうか。 「確かに術後は光がまぶしくてギラギラしてドライアイにもなりました。でもその症状は2、3日で解消し、8年経った今も快適に見えています」(39歳・女性) 「レーシック手術経験者が激減するのは“当たり前じゃん”と思いました。受けたい人はすでに受けているはずだし、一度手術をしたら10年から20年は必要ありませんから。メガネやコンタクトのない生活が快適なので、もし視力が下がったとしてもまた受ける予定です」(35歳・女性) 最後に、戸田郁子先生からアドバイスを聞きました。 「信頼のおける施設で手術前にしっかり話を聞いて、手術のメリットやデメリットを理解した上で手術を受けることをおすすめします。年齢やライフスタイルに合わせた治療の選択があり、その方に適した選択が重要となりますので、ぜひ専門医の話を聞いてみてください」 |